ここ一年で足回りはアッパーマウント、スタビブッシュ、タイロッドエンドブーツ、ドライブシャフトを交換した我が880コペンで音が発生するとなるとサスペンション本体が怪しい。
いわゆる「底付き」し始めたとにらんで、分解可能な構造である880コペン純正ビルシュタインのセミOHを実施してみようと思い立ちチャレンジしてみました。
尚、ここでいうセミオーバーホールとは、バンプラバーの交換と内部洗浄、グリスアップです。
※※※※
純正ビルシュタインを分解したという情報がネットで全く出てこなかったので今回は自分が人柱となりやってみましたが、専用設備・専用工具、スペアパーツの無い(パーツが出ない)状況での作業となり、完全に元通りにはできておらず作業を詳細には書いていませんので予めご了承ください。
絶対に真似しないでください。
安心して乗るべくエナペタルさんやラックさんへ依頼してください。
※※※※
<シェルとダンパーの分離>
まずダウンサス交換やアッパーマウント交換の要領でストラットをバラします。
今回はさらにここからダンパー本体と黄色のシェルケースとを分解します。
まずストラットの底面のナットを緩めます。
その後六角でロッドを時計回りに回して緩めて抜き取ります。
底面側から見ているので通常と逆に回して緩めます。
※バンプラバーを交換するつもりがない場合、ここから先の作業は止めてこのネジ穴から古いグリスを抜いて再充填するだけでも良い感触が得られるかも。
これでシェルからダンパー本体を抜き取ることができますが、中から圧縮で生じた水分で乳化したグリスが100tくらい出てきますので受け皿を用意しておいてください。
私はうっかり地面にぶちまけてしまいました(;^ω^)
皿で少しだけ受けたヘドロの様なグリス。
分解するとこんな感じ。
シェルの穴入口にあるパッキンはカチカチでシェル側に張り付いていてきれいに取り外しできませんでしたので再使用はできませんでした。
※ダンパーを再入する時にこのパッキンが邪魔で入れられなかったので外しましたが、外すことはマストではありません。
バネ性のあるリングが入っていましたがこれも元に戻せませんでした。
<内部の状態>
内部は古いグリスでドロドロ。
そしてバンプラバーは形は保っているものの、手の上で力を加えるとボロボロと崩れていきます。
<洗浄・組み立て>
内部グリスをきれいに拭き取り、代わりのバンプラバー(汎用品)、ワッシャーなどを組み合わせました。
バンプラバーは硬度90、内径14、高さ×径=27×27の物を1個と半分使用してみました。
(写真は1個の状態)
バンプラバーの径は35〜37くらいのものがあると良かったですが、今回用意した汎用の物は径が小さくダンパーに当たる部分に応力が集中して掛かりそうでしたので、別途ワッシャーを用意して組み合わせました。
→※後日35mmへ変更しました。
シェル内部にはウレアグリスをたっぷりと塗り、再度ダンバーと合体させました。
※グリスは何を使うのが正解か不明です。本来は量も指定があるはずですが不明ですので手探りです。
<試走・考察>
まず「カンカン」「コンコン」という不快な底付き・異音は無くなると共に、乗り心地がめちゃくちゃ良くなりました!
バンプラバーも硬度90は硬すぎるのでは無いか?と思いましたが全くそんなことは無く、段差を乗り越えた時の突き上げも無く、しっかり衝撃吸収されており乗り心地は良好です。
もしかして「バンプタッチをしていない?」という気持ちにもなりますが、硬度は高いが径が小さいのが幸いしている可能性もあるので、今後硬度95の外径が35oのものも試してみたいと思います。
→後日交換しました(下段に追記)。
いずれにしても今まで色んなメンテをしてきましたがこれまでで最も劇的変化を体感できたメンテでした。
今回の異音、セミオーバーホールから推測すると、
@純正ビルシュタインは元々1Gでほぼバンプタッチしている。
A縮み側はバンブラバーの弾力+ダンパー内部の構造(オイル or ガス or ゴムブッシュ?よく分からない...)で乗り心地確保してる?
※手でダンパーをこれ以上縮まない所まで押し込んだ先に更にダンパー内部にオイル、ガス、ゴムブッシュ等で弾力が若干あって、それで底付き=即ダンパー破壊にならないようになっていると想像します。
Bバンプラバー&サス(バネ)の劣化でダンパー内部の構造のみで支える様になると底付きを起こし異音が出始める。なのでコンコン音が出始めたらかなり危ない領域までヘタっている?
こんなところではないかと推測しています。
とりあえず運転席側のみ施工し良い結果は得られました。
施工後300qほど走ってみましたが今のところ特に問題は起きていません。
しかし耐久性と前述の推測が的外れの可能性もあるため、今後の経過はまたここで報告させて頂きたいと思います。
※2023/7/9追記
500kmくらい走った所で再分解しました。
パッキンはあまり意味がなく、ダンパーの動きを阻害していたので取り外しました。
バンプラバーは硬度95 穴径18 高さ×径=35×35の物に替えました。
但し高さは5mmほどカットして約30mmとしました。
再試走の結果は乗り心地は少し硬くなり、バンプラバーの丸い当たり音がかすかにする様な気がします。
乗り心地については硬度というよりバンプラバーのサイズに依る所が大きいと思います。
感覚的には27*27の方が乗り心地とコーナーでの踏ん張りに期待出来るので、戻すかも知れませんがまず1週間はこのまま35mmの物で行こうと思います。
※2023年7月13日追記
硬度95 35*35はやはり乗り心地が硬過ぎると感じます。
バンプラバーの硬度やサイズでどれ位違いがあるのかピストン戻しで挟んで潰してみましたところ、35mmの物はほぼ変形しませんが、27mmのものは潰れて変形します。
この差が乗り心地に大きな影響が出ているようです。
→2023/7/15 27*27 1個に戻しました。
※2023/11/10追記
かれこれ5000kmほど走りましたが相変わらず良好です。
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最後にもう一度書きますが、完全には元通りにならいので真似しないで下さい。
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※関係ないですが翌日シェルを塗装しました。
カインズの228円アクリルスプレーが色が近くて助かりました(^^)
(アクリル系で塗って良いのか不明ですが(;^ω^)
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